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【実験】アメリカの市販の豆乳で豆腐は作れるか?

豆腐作りといえば、大豆から豆乳を絞って、にがりで固めるのがオーソドックス。作ってみたことはありますが、意外と手間がかかって面倒くさいのですよね。

先日アメリカで売ってる無調整豆乳を調べた際に、そういえば市販の豆乳からでも豆腐を作れるんだっけ?とふと疑問に思い、試しにやってみることに。

結論から言うと、タイトルに【実験】と入れてある通り、うまく固まらず見事失敗~。それでも、豆腐ペーストのようなものは作れましたので、興味がある方は読み物として楽しんでいただければ幸いです。

また、備忘録も兼ねて、反省点や考察も書き残しておきました。海外在住で豆腐が手に入らないという方や自分でも実験してみたいという方のヒントになる・・・かも?

豆腐作りに適した豆乳とは?

いわゆる豆腐作りに適した豆乳は、大豆と水から作られた無調整豆乳であり、大豆固形分が10%以上であること。

大豆固形分とは大豆から抽出される水分以外のすべての固形成分を指し、タンパク質、脂質、炭水化物、灰分(ミネラル)が含まれます。

日本の豆乳製品であれば、パッケージに大豆固形分の記載があるのですが、困ったことにアメリカの製品には書かれていません。

というわけで、豆乳に含まれるタンパク質の量から大豆固形分を推測しました。文部科学省の食品成分データベースで調べてみると、米国産の黄大豆のタンパク質は100gあたり33g(33%)。

これを元に、ChatGPT先生に計算してもらったところ、

含有タンパク質 9g ÷(240ml x 0.33)x 100 = 11.4%

という結果に。

ただし、含有タンパク質からの推測なので、当然、誤差はあるわけで。

試しに、大豆固形分9%と表記されている日本製品の豆乳を、同じように含有タンパク質を元に計算してみたら、11.5%になりました。ということは、上記のアメリカの無調整豆乳も大豆固形分9%前後になるっぽい?

ともあれ。大豆固形分が8%でも豆腐作りが可能だとする情報も目にしたので、買い置きのあったTrader Joe’sの無調整豆乳を使って実験してみました。

ちなみに、アメリカで入手できる無調整豆乳は、別記事『【アメリカ】料理にも使える!無調整豆乳・5選』にまとめてあります。よかったらそちらも参考にしてみてください。


にがりについて

豆乳の他に豆腐作りに必要なのは、にがり(凝固剤)です。

にがりといえば海水から作られているイメージですが、にがりの主成分は塩化マグネシウム。そのため、化学的に精製されたにがりもあります。

どちらのにがりでも、塩化マグネシウムが起こす化学反応により、豆乳のタンパク質同士が結びついて固まりますが、美味しさを求めるのであれば、ミネラル豊富な天然にがりに軍配があがります。

また、にがりには液体タイプと粉末タイプ(見た目は塩)があり、液体タイプは水に溶かして使います。

注意したいのは、どちらのにがりも、マグネシウムの含有量がメーカーによってバラバラなこと。にがりの濃度が違うせいで、レシピに忠実に作っても失敗するということがあるようです。

実験にあたって濃度をきちんと調整しようと思っていたものの、今回私が購入したOhsawaの天然にがりは(公式サイトで確認したところ)マグネシウムの含有量に関しては記載なし。

一応、パッケージには「1ポンドの大豆から豆乳を作り、小さじ3のにがりで固めると約3.5~4ポンドの豆腐ができる」と書かれていますが、なんともまぁアバウトでわかりにくい。

とりあえず、他のレシピをいくつか参考にして、使用しました。

材料(分量)

  • 無調整豆乳・・・350ml
  • 水・・・大さじ1
  • 粉末にがり・・・2g

補足

★無調整豆乳は、Trader Joe’s製品を使用(含有タンパク質が240mlあたり9g)。

★にがりはOhsawaの天然・粉末タイプを使用(アメリカのAmazonで購入可能)。

★豆腐作りには軟水が良いとのことですので、Britaでろ過した水を使いました。アメリカ在住の方はこちらの地図でお住まいの地域の水が軟水なのか硬水なのかを確認しておくと良いかも。東海岸や西海岸だと軟水のようで、ただただ羨ましい!


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実験過程(作り方)

次の手順で挑戦してみました。

STEP 1

マルチ調理器(いわゆるインスタントポット系の家電)の低温調理機能を使い、豆乳を160F(71℃)に温める。

【ポイント】にがりで豆乳が固まる温度は70℃~75℃。どうやらこの温度調整が一番の難関なようなので、大事をとってマルチ調理器の低温調理機能を利用しました。

【考察 / 反省点】冷蔵庫から出したばかりの冷たい状態の豆乳を使ったため、160Fになるまで30分ほどかかってしまいました。事前に電子レンジなどで人肌くらいに温めておくと待ち時間を短縮できそうです。

STEP 2

豆乳を温めている間に、粉末にがりと水をあわせておく(粉末にがりはすぐに溶けます)。

【ポイント】にがりの量は豆乳の量の1%が基本。少なすぎるとうまく固まらず、多すぎると苦くなります。

【考察 / 反省点】ただし、使用したにがりのマグネシウム濃度がわからなかったため、正しい量のにがりを使っていたのかどうかは不明。

STEP 3

豆乳の温度が160Fになったら(マルチ調理器のビープ音が鳴ったら)、電源を切り、水に溶かしたにがりを入れ、ヘラでゆっくりとかき混ぜる。

【ポイント】かき混ぜすぎると固まりにくくなるので注意。

【考察 / 反省点】ヘラで2~3往復くらいで十分?らしいのですが、あまりの反応のなさに、かき混ぜすぎた気がします。

なお、ヘラで豆乳をゆっくりかき回して流れを作り、にがりを垂らすというやり方もあるようです。

STEP 4

蓋をして15分放置する。

【考察 / 反省点】にがりを入れた時点で感じで感じていましたが、やはり固まらず。にがりの濃度が低かったのかも?この時点でにがりを追加してみるべきでした。

STEP 5

コーヒードリッパーにフィルターをセットして、にがりを混ぜた豆乳を注ぎ、水分を切る。ドリッパーの上にラップをかけて冷蔵庫で1晩寝かせる。

水分がしっかり切れるとこんな感じになりました。

【考察 / 反省点】計量してみると、豆腐もどきは91g、水分は224gでした。

STEP 6

コーヒーフィルターに豆腐もどきを包んで四角に形成し、重しをしてさらに1晩寝かせる。

【考察 / 反省点】ドリッパーで濾しただけで水分は十分に切れていたようで、ほとんど水は出ず。形成後、重しをして1晩寝かせる必要はなさそうです。


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STEP 7

コーヒーフィルターを外したあと、豆腐もどきを水に浸し、30分放置する。水を切ったら出来上がり!

【ポイント】水に浸すことで、にがりの余分な苦みが抜けます。

【考察 / 反省点】水に漬けたら崩れるかと思いきや、意外と形をとどめていました。

実験で出来上がったもの

上記の実験過程を経て出来上がったのは、豆腐にみえるけど似て非なるもの。

無理やり四角に固めて豆腐らしい見た目に仕上げましたが、残念ながら豆腐ペーストのままでした。味は豆腐っぽくはあるけれど、食感は完全にクリームチーズです。

失敗作の豆腐ペーストを白あえに利用してみる

失敗してしまったとはいえ、せっかく作ったので、人参の白あえに使ってみました。白あえの味付けは、シンプルに白すりごま、醤油、砂糖のみ。

豆腐ペーストの水分を切りすぎているせいか、ピーナッツバターを思わせるねっとりさが少ししつこい感じ。だしで割って少し薄めたほうが良かったな。

それでも、(アメリカの人参は甘めなので)醤油多めで味を調整してみたら、普通に美味しかったですよ。工夫次第で他の料理やお菓子にも使えそうです。

すでにペースト状なため、わざわざ豆腐を潰す必要がないのがお手軽。でも、白あえを作るためにあえて豆乳から豆腐ペーストを作る必要は全くなし。普通に豆腐を買うことをおすすめします(笑)。

実験を終えて

アメリカで手に入る無調整豆乳と粉末にがりを使って、豆腐作りに挑戦してみました。が、見事に失敗~。

おそらくは、使った無調整豆乳の大豆固形分が少なかったことが一番の要因だったのではないかと思います。せっかくなら、含有タンパク質12gのEdensoy無調整豆乳で試してみたらよかったかも(挑戦したら追記します)。

それでも、失敗作の豆腐ペーストも普通に美味しく食べられたし、材料が無駄にならなくて良かったです。

実はもう1つ試してみたい方法があるのですが、その話はまたの機会に。

というわけで、今回の実験はひとまず終了。最後まで読んでくださった方、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました!


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