【下ごしらえ】牛肉を柔らかくする中華料理の手法

アメリカンな中華料理を初めて食べた時、その激甘さと同時に驚いたのが、炒めものに使われている牛肉の柔らかさでした。
特別いいお肉を使っているわけでもないし、超薄切りにスライスされているわけでもないのに、なぜこんなに柔らかいのだろう?調べてみたところ、ベーキングソーダ(重曹)を使うのがコツだとわかりました。
注意:この方法は、薄切りや小さく切った牛肉に対し有効です。ステーキなどの厚みのある肉や塊肉には応用できませんのでご注意ください。
塊肉を薄切りにするときの注意点
薄切り肉が一般的ではない海外では、塊肉を自分で薄切りにすることが多いと思います。
アメリカでは牛丼に使える超薄切り肉もあるのですが、炒めものに使うにはちょっと薄すぎるし、不経済だったりするのですよね。
そんなわけで、炒めものに使う薄切り肉は自分でスライスする派なんですが、私が気をつけているのは次の2つ(これは牛肉に限らず、他の肉類も同様です)。
肉の繊維の方向

繊維と同じ方向(平行)に切ってしまうと食感が固くなるので、繊維に対して直角(写真の点線)に切るのがポイントです。
小売されている塊肉は、繊維の方向を気にせずランダムにカットされているので、自分が切りやすい方向に繊維が入っているものを選んでおくと、この作業がしやすいと思います。
あらかじめ半冷凍または半解凍しておく
また、生の塊肉をあらかじめ30~60分ほど冷凍するか、冷凍したものを半解凍した状態だとしておくと、切りやすくなります。どちらかというと、生肉を少し解凍させた状態のほうが扱いやすいかな?
半冷凍したり半解凍させる時間がない場合は、切れる包丁だと案外薄く切ることができます。
厚めの薄切りになってしまったとしても、牛肉の場合は次の方法で下ごしらえをすれば、いい感じに柔らかくすることができるので大丈夫です!
ベーキングソーダの力で柔らかくする

薄切り肉が準備できたら、ベーキングソーダを入れた水をふりかけます。
分量は、1ポンド(約453g)の牛肉に対し、ベーキングソーダが小さじ1/8、水が大さじ1~2になります。もし牛肉が固い場合は、ベーキングソーダは小さじ1/4まで増量が可能です。
今回、用意した塊肉が320gだったので、ベーキングソーダは小さじ1/12くらい(小さじ1/8の2/3)を使ってみました。

しっかり揉み込んだら、サランラップをかぶせて、冷蔵庫で2時間ほど寝かせるだけ。これで下ごしらえは終了です!(ベーキングソーダの量が少ないので、洗い流す必要はありません)。
寝かせる時間を短くしたい場合は、ベーキングソーダを増やす方法もあります。その場合は、1ポンドの牛肉あたりのベーキングソーダを小さじ1.5にし、20~30分間冷蔵庫で寝かせるだけ。
ただ、この方法ではベーキングソーダの味が肉に残ってしまうため、流水で洗い流す必要があり、このときに牛肉の旨味まで流れてしまうのでご注意ください。
時たま、安価な中華レストランで柔らかいけど牛肉の味があんまりしない料理に出会うのは、ここに理由がある気がします(笑)。

今回、ベーキングソーダで柔らかくした牛肉は、モンゴリアンビーフ(アメリカンな中華料理)に活用しました。
この料理では、下味をつけた牛肉にコーンスターチをまぶして一度揚げ焼きにするのですが、下ごしらえをしていないと固くなってしまう牛肉も、ベーキングソーダ効果でほどよい柔らかさに。甘辛の味付けも手伝って、ごはんやビールが進む美味しさでした。
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固い部位の塊肉を薄切りにした牛肉も、この方法なら柔らかい食感にすることができ、炒めものなどにも使いやすくなります。よろしければお試しください♪
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